新学期が始まり、2週目の授業に入っている。小学生はこの時期、漢字学習で大半の授業時間を割かれてしまう。というのも、學志館の国語の授業はまず漢字学習の習慣を作ることから入る。テキストは漢検ステップを使用。『漢字練習帳』で正しい書き順を学び、『漢字ノート』(市販のノート)で各ステップにある見出し漢字の音訓別の漢字をたくさん書き、最後にステップにある漢字の読み書き問題とそれ以外の筆順・偏と旁・漢字の分類・漢字の組み立て・反対語・同意語・四字熟語等の問題を学習してくる。それらの問題を毎週、独自に作製した「漢検ステップ」準拠の漢字テストで確認をして、各問題集ごとに9割できないと再テスト・居残りになる。兄弟姉妹の弟妹たちは兄姉たちに
漢字学習の大変さ等を身近かに見聞きして知っているために覚悟ができているのか、初めてのテストでも再テストを受ける生徒は少ない。それに比べ、塾生の兄姉のいない生徒たちはびっくりする! そして、大抵最初の何回かは居残り・再テストを受けることになる。長くて1時間以上残る生徒もいる。昔は最初、テストを受けて不合格になり泣き出す生徒もいたが、最近はいないのは生徒が変わったというより、こちらの準備段階からの説明やフォローが整ってきたからだと思う。また、兄弟姉妹のいる生徒たちが増えて、当然という雰囲気が自然、授業に浸透してきたからも知れない。それは、最初「来週からこういうテストをするよ」と説明すると「え〜!」と普通の生徒は驚くが、弟妹たちは「来た〜!」という表情をして身を引き締めている。「私も(僕も) 兄姉たちとあの同じ経験をするのか〜」「お兄(姉)ちゃんが昔、家でおかあさんやおとうさんに怒鳴られながらやっていた漢字のすごい勉強なるものを経験するのか〜」と思っているかどうかは分からないけれども(笑)そんな感じもすると一人感慨に浸っている、、というのも一瞬のことで、この時期、私たちは重労働である! なにせ1時間の授業が居残り含め2倍以上の時間になり、その中で漢字の書き方なるもの、字の書き方(低学年にはほとんど絵のような漢字を書く生徒も普通にいる)漢字の覚え方(これを習得すると今後非常に学校の勉強は楽になる。漢字ばかりではなく覚え方を身に付けると他の教科の勉強にも当然役に立つから)などを手取り足取りそばについて教えて行かなくてはならない。この作業は確かに教える方としては骨の折れる行為になるが、それを生徒たちが身に付けてくれると漢字に関しては後は楽になるし、小学生の頃に正しい漢字の学び方を身に付けることは、その生徒のこれからずっとつきあっていく字というものの原型を作ることになる。そういう思いで取り組まさせてもらっている。
そういう段階を経て、次第に読解教材の『論理エンジン』(現在、出口汪著の『論理エンジン』『論理の習得』を国語の授業では小学生から高校生まで使用)を利用し、文章を正確に読解する学習に本格的に入っていくことができる。文章読解を学習する一つの到達点はあるまとまった文章を要約できることにあるが、その際でも単に文章を抜き出すのではなく自分の言葉に置き換えて要約するには、その生徒の漢字力が大きく作用する。それは更には自分がものを考え、表現するときに決定的な差として出てくるはずである。出口汪氏も語っているが切れやすい子は論理的に思考する訓練が欠如している場合が多い。それは当然で自分の状況についてどれだけ息長く考え(思考し)続けることができるか、それは文章や物事を筋道を立てて考えることができるかどうかの問題であるから、考えることがブツブツ切れてしまう子は前後の見境がなくなりやすい。その瞬間の感情でしか物事を判断できなくなるから。(それは別角度から言うと私がよく使う「学習ライン」の構築とも連関する)
以前このブログで紹介したことがあるが、中学生が『論理エンジン』を勉強して役立ったことは、勉強するときに音楽を聞きながらだらだら勉強しなくなったこと。今までは考えずにしゃべっていたのが考えてからしゃべるようになった。という事にも繋がる。その生徒は中学生から入った生徒だが漢字はよく学習し字も綺麗な字を書いていた。
今回は小学生の漢字学習からの話でしたが、それは次には様々なことに繋がっていくという話になってしまいました。最後までお読み頂きありがとうございました。
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