身近な教育現場から

學志館の教育理念

冬期講習前の講師研修会にてお話しをさせて頂いた、理念と具体的な教育についてです。主に、授業運営についての學志館の方針を説明させてもらいました。教務内容は各教科ごとになりますから、自分たちが生徒と対するときの、姿勢や考えが同じベクトルを向いてもらう事は大前提と思っていますので、毎回の研修会で取上げさせてもらっています。その流れの一つと捉えて頂いて良いかと思います。

 

學志館の教育理念

　心の教育が前提で第一、

　生徒（人間）は身体と心で成り立っている。

　車に喩えるとエンジンは身体、頭脳や心はハンドル・アクセル・ブレーキを司る機関。

　エンジンは各パーツが問題なければ普通に走る。人間では健康ということになる。しかし、エンジンに問題なく健康であっても無軌道に走り出したり、制御できないようであれば、それをコントロールする頭脳や心が問題と言うことになる。

　児童・生徒の教育は車のハンドル・アクセル・ブレーキを統御する頭脳・心に関わる活動になる。

　頭脳は知覚・認識・知識に関わる機関である。人によってはこれですべてという人もいる。身体と脳以外何もないと。しかし、教育に携わり生徒に勉強を教えるということをしていると、各教科の勉強により育まれる能力がすべてではないことに気づかされる。

 

　動機という点から見ると、いくら優れた頭脳をもつ生徒であっても勉強しなければ、その能力を発揮することはできないことからもおわかりいただけると思う。理論的に勉強することがあなたの将来にとっていくら徳であり大切なことであるかを納得させようとしても、あるいはもし勉強をしなければどんな悲惨な人生が待っているかと脅かしたとしても、それで分かったと言って、それ以来ずっと勉強に方向転換するほど単純（簡単）で無いことは自らの子供を育てたり、生徒の教育に携わる人ならば誰もが経験済みであろう。

　ということは、頭脳だけをいくら鍛えようとしても、また、動機付けを理論的に（自分に取って損か徳か）説いたとしても、教育的には半分のことしかしていないことになるが、現実日本の教育はその半分のことに血眼になっているのではないかと思われる。

　では、後の半分（それ以上）のものであるとする心とは何か？

　これも動機という点から見ると、生徒にとっては「なぜ勉強しなければならないのか？」と言う問いになる。その問いに対し、先に述べた頭脳に訴えかける解答では動機付けという観点からは不十分で一過性ものとして終わり、本当の動機付けにはならない。

　本当の動機付けの機会として今年から『モチベーションアップ講座』を始めた。1週間両校で第2回の講座を明日から開催。いつも教科の授業では頭脳に訴えかけることが中心だが、この講座では主に心に問いかる。そして、一般的な生徒多数の動機ではなく、自分の心の願い「〜したい」という思いを深く掘り下げ、そこから、自分と世界をつなぐ「仕事」「働き」が生まれてくる。その仕事をより深くするために勉強する意味が生まれてくる。自分と世界は「仕事」を通じて繋がっている。

　こういうプロセスをたどることで普段の勉強とは違った次元に意識を向け自分の心の思い方・使い方を意識するきっかけを作ることができると思っています。

 

　心の動機付けが大切という観点からでは具体的に先生たちはどのように生徒たちに関わっていけばいいか？

　個人授業・クラス授業・速読・パズル道場・論理netという学習形態・授業を現在學志館では行っていますが、いずれの学習形態・授業においても共通の授業指針があります。それは「學志館の授業指針」(2014)の中で述べています。學志館の算数・数学のある到達点が生徒の頭の中により鮮明なイメージを作り出す力を目指しているように、この「指針」でも目指すものは暗黙知として述べている生徒の内側に授業本来の姿をどれだけ高い精度でイメージさせられるか。それこそが私たちの日々の生徒たちとの関わりの中で少しずつ創られイメージ化されるものです。

　そういう方向を目指した教育を私は學志館の目指す教育にしたいと思っています。學志館に集われた先生方が生徒に関わるときに同じ方向・同じイメージを共有できることを期待し且つお願いしたいと思います。

 

  學志館の授業指針2014冬期前をダウンロード

 

 

第２回モチベーションアップ講座

　昨年２回目として、２０１４年１２月１４日から２０日にかけて行われた『モチベーションアップ講座』への生徒の感想文です。　すべては載せられませんでしたが、生徒たちの静かなる熱気・意欲は伝わると思います。普段、勉強しているときの生徒とは別の顔を見せているのが興味深く、また、声に出して発することと自分の内側へ深く入って感想という形で文字に記すとこうも違ったものが生れてくるのか？　いやむしろ生徒の本性はそこにあるのに、自分たちが生徒たちの内面を深く捉え切れていないから見えていないのかもしれません。

　中３生は受験が間近に迫ってきた中での感想。（現時点では入試は終り後は結果を待つばかりの状況です）それに対し、中１はまだ自由に思うように考えている違いにおもしろくも驚きもしています。

　また、機会があれは続けていきたいと思っています。

 

 

勉強は自分の将来を考えて実現することだと分った。願いとは世界の問題から考えることだと分った。世界の問題と自分の願いは仕事でつながっていたことを知った。（中２男子）

 

今までめったに考えることのなかったことを考えれてよかった。将来のことについてちょっと考えるようになった。目標を立てることはいいことだと思った。なぜなら、その目標に向けてがんばっていけると思うから。世界にはたくさんの問題があるんだと分った。（中１女子）

 

仕事で世界とつながっていることや、自分に何ができるのかが分りました。何がしたくて何をすればいいかが分った気がします。　（中３男子）

 

今まで勉強するのに意味や理由を感じなかったけれど、モチベーションアップで自分のやりたいことや願いが世界の問題につながると分かり、勉強する大切さが分かりました。これからは勉強して知識や技術をみにつけ自分の願いをかなえたいと思いました。（中３男子）

 

勉強する大切さや世界の問題と、自分自身の願いは仕事でつながるということがわかりました。僕は今まで世界の問題は自分には関係のないことだと思っていたけれど、仕事でつながることができると知り勉強をする意味が理解できました。　（中３男子）

 

勉強することは大切なことだと思いました。勉強することで仕事に就くことができて、仕事に就けば世界につながることになると分かった。そして、世界の何かしらの問題を解決するのを助けることができると思った。　　（中３男子）

 

勉強は自分の願いや世界の問題に応えるために必要なものだ。「やらされている」とか「成績を上げるため」と思わずに、これからのために勉強していこうと思った。　今の成績が悪くても、落ちついて確実に取り組もう！Never mind ! （中３私立男子）

 

前回と少し違う自分を見つけられたので、そこをこれからの勉強に生かしていきたいです。

（前の自分）雑貨を作る人　→　（今の自分）人が便利になるものを作る　（中２女子）

 

心のリセットのようなものには多少なった。今後、今日教えてもらった事をちょっと気にかけて生活してみようと思う。少し、勉強についての視野が広がったと感じる。（中２女子）

 

今回やっていて分ったのは、確かにぼくの考えはまちがっていなかったが、少したりないと思いました。とくに、世界の問題と今の自分のおもいをつなげるのに、仕事が必要だとは、思いませんでした。なぜなら、夢にむかって努力すればできると思いましたが、それをどう表すのにと言うところで足りないと今思いました。ほかにも、今世界の問題とたたかうのと、それを解決しようとするのにがんばる人は、たくさんいる。それにまざるのは、とてもりっぱですばらしいと思いました。一人のサラリーマンと一人の社長とでは全ぜんかちが違うが、ともに問題にたちむかっていると考えられて１人１人が同じに理解しようとしていて、はたらくとは大変で、りっぱだと思い、大人が、すごいと思いました。さらに、自分のやりたいことは、今ぼくの頭の中にはたくさんあるけれど、その中に一つ見つけるのに、これほど大変だとは思いませんでした。この時ぼくは、たった一人でこんなに大きな人生ドラマがあると言うことは、ミッションワークはとても大きい力で、どんな大きい問題もこえられると思いました。

　だから勉強は必要だとわかりましたし、しごとが見つかった後でも、勉強はやり続けるので、がくしかんの言葉にがくしゅうは一生ものがあると思いましたし、今一度勉強のいみがわかり、すがすがしい気分です。（中１男子）

 

目標をたてることによって、「そこにいけるようにがんばる！」という気持ちが生れることが分かった。勉強する意味（「仕事」の幅を広げるために大切なこと）が分かることができた。（中１男子）

 

今日、講座を受講して、今まで勉強する意味がいまいちよくわからなかったけれど、今日話しを聞いてよく分かった。「勉強する」ということは社会にでていくために、生きるために「大切」だということがわかった。これからは、「勉強をやりなさい」と言われてやるのではなく、自主的に勉強をしていきたいなと今日の講座の話を聞いて思った。将来のために、これから分らないところを復習したりして、今まで習ったことやこれから習うことを社会にでたら、活かしていきたい。

（中１女子）

モチベーションアップ講座を受けて、自分が今　人を「助けたい」や「人を元気にしたい」など将来やってみたい事が分かった。勉強することにより、自分の将来の夢にまた一歩近づけるということ、私たちは今、勉強できていて、逆に「勉強なんてやりたくない」と思ってしまうけど。できない子や子供のうちに死んでしまう国があるということを学べることができた。（中１女子）

 

ただ勉強してただ働けばいいと思ってたけど、今日の講座を受講して「ただ勉強するだけではダメ、しっかりと目標を立ててやらないといけない」ということを知りました。自分の思いと世界の問題をつなげてくれるものが「仕事」だったなんておどろきでした。

「まぁ、適当に仕事について働けばいつか〜」とか思ってたけど、先生が「ただアルバイトしているだけじゃだれでもできることをやっているだけ。何か専門的な知識を身につけることが大事」と言ったのを聞いて

、いくらアルバイトをしても専門的な知識をつけないといけないんだということを考えました。

でも、いざ目標をたてるとなると意外と難しいので簡単なことからゆっくりじっくりはじめていこうかなと思いました。もし、自分が思っていた仕事に将来、つけなかったとしても多分、自分が「したい！」と思っているのものが１つはあてはまっていると思うから、しっかりとその仕事をがんばれたらいいなと思いました。

今日の講座で、勉強するのは目標をたてたほうがやりがいがあるんじゃないかなと考えました。だから、しっかりと目標をたてて勉強をがんばりたいと思います。

今日学んだこと

勉強は将来に役立つとても大事なもの。だから今のうちに目標をもってしっかりとがんばることが大切！！　　（中１女子）

 

この講座を受講して自分が将来何になりたいのかを深く考えるきっかけになった。これからの自分についてもっと考えていきたい。（中３男子）

今日の講座を受けて、もう一度自分がなりたいものがはっきり見えたような気がした。自分の夢に向ってがんばりたいと思う。（中３男子）

 

今日講座の中で、何になりたいか考えてみて、今までモヤッとしていたものがはっきりしてきた部分がありました。「何のために勉強するのか」というのが少し分かったので、今日お話を聴けて良かったと思います。後２か月、入試を、目標を達成するための一段階として頑張っていきたいです。

（中３女子）

 

将来、自分のやりたいことに合った職業に就けるとは限らないけれど、そのためのど努力は最大限するべきだと思った。勉強はそのまでの通過点であり、積み重ねであるから気を抜かずに続けていきたい。　（中３男子）

 

２回目の参加だったので内容は良く理解できました。思ったことは、自分が「○○したい」の中から選ぶものが前と全く違っていたことです。だから勉強への意欲も前回と比べてみると上がっているのかなと思いました。２か月後には大事な入試があるのでまずは入試に向けて全力で頑張って公立高校に合格できるようにしたいです。（中３女子）