今回も今週、塾の生徒と父母に配布したものを掲載します。実際の配布物と異なる箇所は小学理科と高校数学、生物、化学が追加された点です。それらは配布当日には間に合わなかったため、ブログに掲載します。
eトレ活用術
eトレ学習の意義
eトレ学習を利用する意義とは何でしょうか? 学習の主体である生徒本人の学習能力を充実させるための高価な学習機材です。eトレを個人が自宅で使用すると数十万円もの費用が必要となります。もともとは自学自習用の学習機材ですから各生徒が導入しようとすれば可能かも知れません。
似たような学習機材は以前からあります。教材販売で何十万円もするものを一括で購入したり、現在ではインターネットを利用する学習も存在しますが、いずれも費用的には今行っているeトレに比べ何倍も高額なものになります。しかも、生徒本人の学習状況を知っている人がそばに付いているわけでもありません。実はそのことがeトレを塾で利用する最大のメリットですが。
eトレを導入し半年ほどが経過し、私たちもいろいろなことが分かってきました。どういう学習状況でどういうカリキュラムに沿ってeトレを活用すると効果が上がるか。そういう点について今回はご説明します。
まず、話を少し最初に戻しますが、eトレ学習の意義を考えてみました。塾で授業を受けている生徒が授業とeトレをどのようにリンクさせるか。學志館のメインの教育活動は授業です。高い専門性をもつ経験ある教員が授業を責任を持って組立て生徒たちの学習目標に到達できるようにコーチングします。ポイントが明確で最短の時間と労力で学習内容を理解し定着させる、生徒にとって最適な演習問題に取組んでもらい各学習項目を身につけてもらいます。そのためには数ある教材・演習問題・説明項目の中から眼前の生徒にとって最適な教材・問題・説明を選択し学習ラインを先まで見通して構築しています。今、自分の教えている生徒は全学習項目のどの地点に立っているかを理解し、次のステップを確実に歩んでもらいます。
ここ1年ほど、先生不足で講師募集をよく出します。毎回数名の方が応募してきますが、断ることが多いのは、高い専門性を學志館として要求しているからです。算数や中1・2年生までの数学は教えられる。中1・2の英語なら教えられる。と言う場合、専門性から言うと不的確になります。なぜなら、先に述べたように生徒の学習ライン全体(小学生から大学受験、さらにはそれ以降)の中で各教科の到達度を把握できる方がベターです。中1の英語は大学生以上であれば、あるいは高校生でも分ることが出来、教えることは可能かも知れませんが、その生徒のその後に続く“英語という教科の学習ライン”を長く見渡せる人ほど、教え方は的確で指導ポイントが明確です。中学レベルの英語力しかなければ、その範囲の学習ラインしか見渡せません。算数・数学、その他の教科についても同様のことが言えます。
話が思わぬ展開をしてしまいましたが、學志館の授業はそういうレベルの授業を行っています。
授業に参加する生徒は同じ授業をクラスで受けていても、また、個人授業であっても、生徒本人の学習能力により同じ60分なり90分の授業で身につける学習内容・学習量は異なってきます。いくら、最高の授業をしても、その授業を受ける生徒の学習能力の背景(バックグラウンド)により、学習効果は異なります。誰でも同じ話を聞いても全く知らない内容を聞く場合と、多少でも関連する予備知識を持っている場合とでは集中力の持続や情報の吸収量が全く変ってしまいます。例えば、外を歩いていても、自分に関心や予備知識のあることなら向うから勝手に目に飛込んできますが、それが自分の側になければ存在しても存在しないに等しいものとなって、目の前をただ通過するばかりになってしまうのと同じ事です。
生徒たちの学校や塾での授業でも同じ事が言えます。生徒本人に授業を深く受止める予備知識が多少でもあるかないか。それは繰り返しますが、同じ授業を受けていても生徒により大きく異なります。
では、どうしたらいいのか? 私たち教える側としては、そういう個人差があっても出来る限り全員の生徒が、この1回の授業をより深く多くのことを学習してくれることを目標に授業を組立てます。生徒の側には授業で学んだことを次週の授業まで定着してもらえるよう宿題やテストを課します。学習動機に問題がある場合には、授業とは別に個々に対応します。ですから、もちろん、學志館の授業に積極的に参加し集中して学習し、家でも宿題やテストの準備をしてくれれば確実に学習能力はアップします。この前の逗子中学校の後期期末試験ではほとんどの生徒が前回の中間試験よりも全科目点数を上げました。
これで十分と言えば十分なのですが、學志館にはさらにeトレという高価な学習機材があります。生徒本人の学習状況を熟知した先生のいる場で学習することが出来ます。eトレ学習の意義についての説明は、ここまででもう十二分にご理解いただいていると思いますが、本当にお伝えしたいことは次の点にあります。
前述しました、生徒本人の学習能力は背景(バックグラウンド)の違いにより授業の効果が異なる点。これこそ生徒本人が自ら自学自習で変えることの出来る分野であり、唯一のテリトリーです。それを実現するための学習機材がeトレです。授業を受ける自分自身の学習能力の背景を広げ幅を大きくし、授業をより深く集中して多くのことを吸収できる自分自身を作り上げる手段———それがeトレです。eトレに取組み、自分の足りない学力・知識を体系的に継続的に一歩一歩学習し続けることにより、生徒本人の学習能力が高まり向上して、學志館や学校でより深く密度の濃い授業を体験することができます。しかも、自学自習でカリキュラムをスケジュールしてもらい先生から学習ペース・学習方向についてのアドバイスも受けられる学習機会です。
eトレがこんなに身近にありながら、学習機会として利用されないのはとてももったいないと思います。是非、週1回からでも、eトレ開講の時間にお子様の生活時間を合わせて受講させてください。
各教科のeトレ活用術
小学校国語 小1〜小6
国語は『論理エンジン』の授業で論理的思考を育てます。論理とはものごとの筋道のことです。どんなことにも筋道があり、それを正確にたどることができれば、国語のみならず、算数・社会・理科すべての教科の学習力はアップします。eトレでは主に漢字学習が中心でした。漢字も漢検の各配当学年の学習をすれば苦手な漢字学習をより強力にバックアップすることができます。さらに、この3月からは文章問題も新しくカリキュラムに導入されたので、数多くの文章題にも取組むことが出来ます。『論理エンジン』の授業で鍛えた論理力を使って数多くの文章題に取組むことで、より論理力を高め定着させることが出来ます。
また、中学入試用の高度なレベル問題も新しく取入れられていますから、中学入試の準備や中学受験をしない生徒にも発展内容の文章問題に数多く取組む機会として利用できます。各時期の各生徒の読解力を測る機会としても利用できます。
小学校算数 小1〜小6
算数はまず計算や求積問題などの基本的な作業を完全にできるようにしなければなりません。小学生は授業で学んだことを、頭で理解するよりくり返しによって身につけていきます。授業を受けた後のeトレによる反復によって、基本をしっかり定着する事ができます。また間違ったときに自ら原因の分析・反省をする姿勢も身につけることができます。
基本が身についている生徒は、数量をさらに多面的にとらえる思考力を養う必要があります。授業では数量の見方・思考の筋道のたてかたをディスカッション形式で学んでいますが、より多くの問題について考える時間をとることでその能力は伸びていきます。eトレにはレベルの高い問題を集めた単元があり、それを自分なりのペースで取り組むことができます。
小学社会・・小5・6
地理・歴史は中学校に進んで必要になる科目です。小学校のうちから空間と時間の広がりを持つ知識を持っていて損はありません。常識問題としても社会に取組む意味はあります。中学受験用のカリキュラムも揃っています。
小学理科・・小5・6
学校で習ったことを知識として身につけるため、観察や実験したことの意味づけを整理づけるためにeトレは効果があります。理科の学び方を早めに身につけ、中学以降の学習に備えることが必要です。中学受験用のカリキュラムもあります。
中学英語 中1〜中3
学校の教科書対応問題。中1・2はNew Horizon 中3はNew Crownと教科書ごとにラーニング・各ステップ・チャレンジ・定期テスト対策とあります。試験前だけでは量的に多く、とり組み切れないために、普段から学校の進度に合わせて学習すると良いでしょう。
また、中1〜中3の英語文法は、英語力を確実に定着させるためには是非とり組む必要があります。中1・2の文法があやふやな場合、中3になっても、中1・2の文法単元を学習します。例えば、中2不定詞の理解・定着が不十分なら不定詞を学習し、定着してから、中3の不定詞にとり組みましょう。英語は積みかさねの要素の強い教科です。英語力に自信がない生徒は前学年の文法単元を学習すれば、必ず英語力は安定します。
中学数学 中1〜中3
中学の数学はあやふやな理解がその後に大きく響きます。普段からeトレで自信の持てない範囲を学習しておくことが、次の単元の理解を容易にします。
また、たとえば方程式の学習をしているときには図形や関数の範囲を忘れてしまいがちです。テストはそれまでに習った全範囲から出題されるので、テスト前に復習すればよいという考えでは間に合いません。現在クラスで学習している単元と別の単元をeトレで学習すると、いつどの範囲の問題が出ても大丈夫、直前に特に何もやらなくても数学のテストに挑める、という状態になることができます。
中学理科
理科は一見言葉の暗記のように見える部分も、問題を解いてみて初めて言葉の意味が本当に理解できているか気付く科目です。また、計算や作図問題はくり返しによる定着が必要です。普段からeトレ学習に取り組み、数多くの問題にあたることがたいへん効率的です。
また、理科の入試は中1から中3までの範囲がまんべんなくほぼ3分の1ずつ出題されます。12月になって受験勉強というのでは間に合いません。今からeトレを活用し、中1の最初から学習し直ししましょう。受験に近い時期には入試問題をどんどん解いて演習できるようになっています。
中学社会
地理・歴史・公民それぞれ単元項目別、まとめ用に分類されたものなど、何種類かの切口で作られています。今回の高校入試で社会が最後まで間に合わなかった生徒がいました。入試対策の時期に入ってからでは間に合いません。受験生は今からでも地理・歴史を最初から整理するつもりで、各項目を関連づけられるように取組んでください。中1・2は普段、社会の授業がありません。eトレを活用してください。試験前にまとめて一夜漬をする学習では、それが出来たとしても後には残らず、中3の入試の時には大変苦労します。普段からコツコツとeトレで学習してみましょう。
高校生
各教科のカリキュラムをご覧ください。どれほど多くの科目・問題があるか。主要5教科の英語・数学・物理・生物・地学・日本史・世界史・地理・政治経済・倫理・現代社会・古文・漢文(現代文はありません)。各教科、基礎レベルからセンター対策・難関大対策とほぼ総てのニーズに対応しています。学校の授業であやふやな教科はeトレで学習しましょう。高1生は英語・数学・国語のクラス授業(国語は5月開講予定)がありますから。授業の予定・補習用に、または、塾に授業のない教科はeトレを活用してください。
高校生物
eトレで扱っている内容はすべてを網羅するものではなく、膨大な学習内容の核となる部分に重点を置いています。これをしっかり学ぶことで、その後の学習の網を広げるように学習していくことができます。ですから、予習のために普段から活用する方法が効果的です。
高校化学
化学はある程度の理解をしてから、演習をこなすためや復習のために利用するのが最適です。普段から学校や學志館での学習後にeトレで学習することで、学習内容を定着できます。
高校数学
かなり細かい単元に別れており、普段から利用することで十分な演習量を確保することができます。計算力を養い、入試レベルの問題に取り組むための基礎定着に効果があります。
eトレは週1時間で1教科を継続的に学習することをお勧めします。eトレも定期的で継続的な学習が不可欠だからです。
eトレを自分の学習生活の中に、最大限に(時間数のことではなく)有効に利用しましょう!!
はじめまして。とある高校で英語教員をしているものです。「生徒に楽しく英語を教える」ということをモットーに今試行錯誤の毎日を送っております。現在様々な先生からのアドバイスをいただいたり、色々な人の意見に耳を傾けており、このブログにも大変共感出来る者があります。
下に私のクラスのブログ(最近作ったのでまだまだですが・・・)のURLを載せておきますので、お時間あるときにでもご覧ください。また、遊びに来ます。
http://hu-san-c.spaces.live.com/
投稿情報: 高校教師 | 2007/04/11 07:31
コメントありがとうございます。私は昨年まで、11年間(講師ですが)高校で英語を教えていました。教材や時間数、人数といろいろと制約があることと等、塾との英語授業の違いを痛感していましたが、現在は塾だけに専念していますので、可能性は無限と感じていますが、その分、責任も無限(?)とも思っています。「生徒に楽しく英語を教える」すばらしいモットーだと思います。こちらからも時々、訪問させていただきます。
投稿情報: shimura | 2007/04/11 16:52