今日は当塾在籍最長記録更新中のH君のお母さんとの面談。H君がはじめてやってきたのは小学校3年生の2学期。最初のお母さんの話では学校では椅子に座っていられず、あちこち歩き回り学級崩壊の原因にもなっていたとか。
最初はマンツーマンの授業。なぜなら小3は彼1人だったから。私が見ていた国語でも漢字は全滅状態で読みも書きもできない状態。ただどういう訳か続けてきてくれた。漢字の再テストではあらゆる手段を使いカンニングをしていた。一つ簡単に見破られるとまた次と懲りずにやっていた。筆箱の中、消しゴムの裏、机の中、後ろのカーテンの陰と、、、こちらも懲りずに付き合った。次第に落ち着き算数の能勢先生とも協力し、いつの間にか、今は立派な青年になり高校3年生で消防士になるための受験勉強に励んでいる。彼との逸話は計り知れない。
塾をやっていてうれしいのはこんなにも長いこと生徒の成長を見ることができること。小中高ともう10年にもなる。思い出すのは彼の参加した最初のクリスマス会。会も終わり頃になったとき、普段あまり表情を顔に出さなかった彼が「おもしろい!」とはっきりとした声で叫んでいた。それ以来彼は毎年参加している。
そういうように生徒ばかりではなく父母との関わりも長いものになる。お子さんを3人預けて頂くこともよくあり、現在は3番目の末っ子が3人来ている。話は今来ている子のことで終わらず、上の子たちの近況の話なり、ついいろいろと話をしてしまう。はじめて面談をする父母とはこちらも多少緊張しあとになって、あれも話すべきだったのにこれも、、、と思うことがあるが長くこられている方とは特に話題がなくてもあれもこれも話してしまうことがあるし、自然にそうなってしまう。
最後に昨日の朝刊に載っていた記事を一部紹介したい。途中からの抜粋になる。「私利は横におき、多くの人々に役立つことを優先する人が育ち、個人としても使命を果たす充実感に本当の幸せを感じるという、かつての好循環は衰退している。」「子どもたちも青年も一人ひとりが比べようのない大切な志をもって生まれている。そのことへの畏敬の思いをもってその可能性が開花するための良き縁となるのが教育である。」(瞬)7月6日朝日新聞 経済気象台
時々忘れてしまう、自分自身の本来の立脚地に立ち戻らせてくれる箴言と思いここに掲載させてもらいました。
いつも愚息が大変お世話になっております。
ブログの存在知らず、初めて拝見いたしました。
未だ隅々まで読んだわけではありませんが、先生の情熱と考え方がよくわかる素晴らしいブログです。お忙しいとは思いますが是非続けていただきたくお願い申し上げます。記事にもトラックバックにもある「国語力の低下」問題。私自身も痛切に感じると同時にその責任は私にあると反省しています。かつては「活字中毒」を自認していた私でしたが、1995年以降(windows95発売以降)すっかり活字と疎遠になってしまいました。つまり愚息等は物心ついたころに父親が本を読む姿をほとんどみておりません。PCの台頭が子供たちの国語力を衰退させたのではと危惧する昨今です。あまりに身勝手とは思いますが、是非とも子供たちに国語力をつけていただきたくよろしくお願い申し上げます。国語を理解、組み立てるロジックなくしてすべての学問の障害となることは明らかで大変心配です。
投稿情報: 失敬父兄 | 2006/07/08 19:34
コメントありがとうございます。お父さん方にもブログを読んでいただき感激です。出来るだけ更新の間隔を短く出来るように頑張ります。
おっしゃるように国語力は環境とも大いに関連があると思います。TVやPCからでる電磁波に満ちた世界と活字に向かう空間の密度とは異なると思います。
しかしなによりも、お子さんの読書の習慣を自らの問題として引き受けられていることはお子さんにとって大きな希望です。まだまだこれからです。頑張ってください。私も頑張ります。
投稿情報: Genesis | 2006/07/09 22:04