今週、塾の帰り夜の12時近く、H君と会った。彼の自宅は塾のすぐ近くなので、時々は会うことがある。残業だと言う。しかも、ここ1か月休みなしで、それはあと1か月は続くという。
彼は、塾には小学校3年生のときにお母さんに連れられてやってきた。学校では、じっと座っていられず、授業中に歩き回り、学級崩壊の原因にもなっていると聞いた。3年生は彼一人であったが預かることにした。その後、落ち着き、高3までずっと在籍してくれ、今は立派な社会人になっている。
彼が、来たての頃、漢字や計算の学習から始めるが、
その漢字がなかなか覚えられない。そのため、毎回、漢字については居残りになる。それも長い時間。再テストを何度もするのだが、消しゴムの裏に漢字を書いてあったり、机の中に隠してあったり、小さな紙に書いてあったりとあらゆる手段を行使してその場を切り抜けようとするのだが、すぐに見つかり、怒られた。それを、隣の教室で見ていた中学生が笑いながらも、怒られてもカンニングの方法を考えようとし続ける粘りに感心していた(?)が、次第に慣れてきてカンニングはしなくなり、相変わらず居残りはしていたが、、 人数も増えてクラス授業に参加できるようになっていった。今思うと自分がもっと丁寧に見ていればと思うことも多々あるが、それでも彼は続けて通ってきた。お母さんによると塾から帰ってくると明るくなって帰って来るという。覚えることはあまり得意ではなかったが、算数・数学は得意になっていった。能勢先生によると、できる子でも解けない問題を解いてしまうこともあったという。そのほか、H君の逸話は数多くあるが、今日はこのくらいに。
狭い地域にある塾なのでいろいろな生徒が来てくれる。セグメントと言って対象を絞ったりはしない。その代わり、クラス授業でのレベル設定やルールは決めている。勉強をしようとする意志があれば受け入れている。
成長した生徒と出会うことは楽しみであるが、その生徒たちに影響を与えた者としての責任も同時に痛感する。もっとこうしていればと思うことはよくあるが昔に比べ、そう思うことが少なくなったのは、改善してきた成果かそれとも自分が鈍感になったからか?
いつも気づいていかなくてはならないことを忘れないようにしたい。
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