最近、生徒と保護者に配布したものです。冬期講習が近づき大変忙しい日々を過ごしていますので、また、夏と同様にブログの更新は厳しくなりました。なぜなら、今年は中学受験生・高校受験生・大学受験生まで揃っているため授業の準備のことでもマックスな忙しさです。そのため、塾で配布したものを掲載します。こういうものも私たちの塾の一端です。
国語授業について
先月の11月3日に東京であるセミナーがあり参加してきました。午前10時から夕方の5時30分までの強行スケジュールでしたが内容の濃いものでした。コーチングからマーケティングも含む5分野の専門家が講演を1人70分ずつ行う内容で資料もたくさん配布されました。その中の1人、出口汪(『論理エンジン』開発者、東進衛生予備校講師、 SPS主宰 兼 統括校長、水王舎代表取締役)の話は特に興味深く普段国語を教えている立場の人間としては目から鱗が落ちたような印象を持ちました。以下、講演内容を筆記しましたので一部ここに掲載します。講演内容を聞きながらの筆記です。文章として箇条書き的な内容や途中で話題が飛躍してしまう点はお許しください。
演題 「論理的思考力を持て」
「今までの国語教育は情緒中心であったのを、これからは論理中心の国語教育に変えていく必要がある。
国語はどんな力を付けていくか決められていなかった。明治以降、西欧をモデルにして模倣・模写が中心であった。速く計算でき・ものを多く早く覚えられる人間が求められた。自分でものを考える人間は排除されてきた。
国語は何をやってもよかった。文部科学省が明確な指針を出してこなかった。
大学は論文を読む力を求めたが、どの学部でも論文を読み書きできない学生はいらないと思っている。現場の小中の先生たちは情緒教育をしていた。模倣型の詰め込み教育は現在、役にたたない。大学ではいかに詰め込み型の学生を落とすかという方針に変わってきた。質の良い学生・・ものを自分で考え論理的にいかに表現できるか。
論理力がないから英語・数学が伸びない。現代文は論理的思考を試す科目。答えは1つしかない。筆者の書いた筋道を辿っていけば必ず答えは1つになる。現代文は論理だ!
論理エンジン。論理をシステマテックに鍛える。
国語は論理力を養成する教科。センス・感覚では伸びないと思われてきた。論理の強化があれば国語力は伸びる。一貫したやり方がある。やり方が間違っていれば国語力は伸びない。
文部科学省の学習指導要領の改正点。
国語を全教科の土台となる教科にする。すべての教科の土台。自分(出口)が長年主張してきたことを最近になり文部科学省が主張してきた。
論理は筋道のことで、ものごとを関係づける働き。例えば、主語・述語が分からなければ文章の筋道を追うことはできない。
論理力のメリット。
① 他者意識が強いと論理が生まれてくる。他者に対しては筋道を立ててきちんと説明する。
さらに、人の話の筋道が分かるようになる。
② 文章の筋道を速く正確に理解するようになる。筆者の書いた筋道を理解する。筋道をしっかり
追っていく。筋道を正確に理解することによって、自学・自習する力を付けることができる。
論理力がないと参考書・教科書が読めない。さらに、速読力がつく。
③ 筋道を立てて人に説明することができる。なぜ、記述できないか。文章を論理的に読めていな
いから。なんとなく読むと人に説明できないし言語化できない。文章を論理的に理解する。筋
道を追って記述し説明できる。
④ものを考えることができる。良い文章を読んで考える。
⑤おまけとして→ 覚え得ることが得意になる。関連性のないことは覚えてもすぐ忘れる。
論理エンジンはコンピューターのOSと同じもの。言葉の微妙な使い方をすると感性が育つ。
あらゆるものを言葉に置き換えて整理し認識する。
ことばの習得が速いと「できる」と勘違いする。小さいうちは語彙数が少ないからことばの習得の速い子は国語を得意と思うが、論理訓練をしないと学年が上がるにつれて国語は分からなくなる。なぜなら、コンピューターのOSと同じように情報量(語彙数)が少ないとOSは速く動くが、語彙数が多くなると論理を学ばないと次第に遅くなる。文学的文章は読めるが説明文・論説文は読めなくなる。OSを速くするためには、論理力を鍛えなければならない。 」
以上、私(志村)が主観的になぞったものですから総てを紹介することはできませんが、何かの参考になると思い掲載しました。その他に、最近の子どもがよくキレルのは、論理的思考が身に付いていないからで、それを身につければ、そんなにキレない。さらに、若者の言葉で省略が多いのも仲間内だけで通用する言葉ばかりを使っているからで、語彙範囲が非常に狭く、その結果他人を理解することができない等々。
詳しくはPHP出版の『論理エンジンが学力を劇的に伸ばす』に掲載されています。興味のある方は是非お読みください。お父さん・お母さんの論理力も問われています?!
ということで、先にも書きましたように私としては正直に言えば「目から鱗が落ちた」印象を持ちました。
それ以降、塾の授業で早速実践。高校3年生は出口先生の本を現在利用し自習用の教材も与えています。
論理エンジンは現在私立高校の130校、日本にある私立高校の10%が採用しているそうです。
學志館では、少し期間を頂き、いろいろ調べた結果、小学4年生から6年生は今後、出口先生のテキストを中心に学習していこうと決めました。年度の途中ということもあり、多少迷いましたが「時期はいつであれ、生徒にとって良いものは利用したほうが良い」と思い、12月からは小4〜小6まで新しいテキストを使用します。今まで使用していた、2冊のうち1冊(ピラミッド)は自宅用教材にします。
途中採用なので12月から来年の3月まで使用します。4年生と5年生は特に学年配当は関係ないので、そのテキストは終わりまで使います。冬期講習と春期講習でもこのテキストを使用します。
中学生は「論理エンジン」の塾用テキストはありませんが、今後、私がもっと研究し授業に活用していきます。
学年が上がるごとに、現代文の授業は文章構成の理解、要約、キーワード・キーセンテンスの発見になります。様々な文章を利用し授業で行うことができます。現在、高3の現代文は論理エンジンを中心に授業を行っています。
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